カイロプラクティックでは椎間板の損傷とサブラクセイション(神経圧迫)に密接な関係があると考えています。

なぜなら背骨の構造を見てみると椎間板のすぐ脇に椎間孔(末梢神経の通る穴)が通ります。

椎間板というものはコラーゲン繊維や水分で構成されており、脳へ衝撃を伝えないようにクッションの役割も果たします。

椎間板の中心には髄核という身体を傾けたりした際にベアリングボールのような役割を果たす組織があります。

Dr. C.S.ガンステッドはこの椎間板の損傷をレントゲン像で大きく分けて6段階に分類し、それによって治療期間の目安を考えていました。

もちろん損傷が浅ければ治療期間も短くなってきます。

Disc1~Disc6まであり数値が低いほど健全な状態です。

椎間板の変性

上下が平行であり、最も理想とする形である

急性期
初期であり椎間板は炎症を起こし膨張します。膨張しているがゆえ、少し身体を傾けると神経に干渉し痛みが走ります。(ぎっくり腰の方など)この段階でケアを受ける事ができたなら、症状の早急な回復と膨張した椎間板の回復が見込めます。

約6ヶ月~2年経過
膨張した椎間板は水分を徐々に失い、後方部のスペースが閉じ始めて髄核は前方へ移動します。この頃には急性期のような激痛は過ぎますが痛みはまだ続きます。この段階でも定期的なケアにより回復が見込めます。

約2~5年経過
慢性期へ片足が入った状態となります。後方部の椎間板スペースがさらに少なくなり髄核はさらに前方へ移動します。この状態であればまだ椎間板の柔軟性はあるのでスペースの回復は見込める。

約5~10年経過
いよいよ慢性期へ突入します。前方部も閉じ始め正常な椎間板に比べると2/3まで減少します。スペースがなくなり上下でぶつかる事で骨の変形がはじまり、可動域の制限も大きくみられるのはこのあたりです。

約10~15年経過
椎間板の水分はさらに減少し、正常な椎間板と比べると1/3以下まで減少します。この段階になると骨の変形も大きくみられ、椎間板スペースの回復が難しいとされています。しかしその中を通る神経の流れを正常にする事は可能なので、症状の緩和はできます。

約15年以上経過
いよいよ最終段階であり上下のスペースは完全に無くなり、上下の背骨がその強度を高めるために癒合し始めます。可動域制限により椎間孔は柔軟性を失い、癒合してしまえばそれが自然に離れる事はありません。しかしこの段階でもその中を通る神経の流れを正常にする事は可能なので症状の緩和はできます。

生活習慣や環境によってサブラクセイション退化の速度は個人差がでますが、2/3以上のスペースを失われると回復しにくいと言われています。

しかし構造的に回復しなくても定期的なカイロプラクティックのケアによってその中を流れる神経の流れを確保する事は望めます。